The United Nations Office for Project Services (UNOPS)

新しい市場とソマリア女性起業家支援で経済活性化・地域安定に貢献。

長年にわたる内戦が終わった今、ソマリアでは多くの世帯において女性の稼ぎがその家族の生計を支えています。女性が家族の収入の70%以上を担っている世帯もあります。こうしたソマリア女性の大半は、地元の市場での行商など、店舗を持たない路上商売から収入を得ています。

ソマリア、プントランドでは、ボサソ市場での収益が地元商人の大きな収入源となってきました。ところが残念なことに、ボサソの地元商人は街の中央市場で商売することができなくなっていました。多くの女性商人が生計の拠り所としていたボサソ市場が、火災により深刻な被害を受けて閉鎖してしまったのです。

UNOPSはボサソの女性商人や起業家を支援するため、日本政府と協働し改良型設備を備えた新しい市場の建設を行いました。

エンジニアでもあるボサソ市長、ヤジン・ミレ氏は、「われわれは日本政府及びUNOPSに大変感謝している。彼らはプロジェクト実施全般に渡って、密接にわれわれと連携調整を取ってくれた。この市場は地域経済活性化に大きく貢献するだろう。特にこの地域にはイエメン難民や帰還民等の様々なコミュニティがある。市場はソマリア人のみならず、皆の生活向上に役立つことになるだろう。」と述べています。

「自分が支援を受けたように、いつの日か、自分自身が”融資者”になりたい。 ソマリアの女性に小規模ビジネスの立ち上げ資金を融資することで、彼女たちが家族を養う手助けをしたい。」

アシア・アリ・ファラー - ボサソの売店主

女性にも夢があります

新しいボサソ市場の建設前に、包括的な参加型手法が取り入れられ、女性商人達からもたくさんの情報が集められました。こうした実践のおかげで、彼女たちは新しい市場の設計と計画に積極的に関わり、彼女たちのニーズが市場建設の初期段階から確実に反映されることになりました。

この事業では、最終的に市場で働く男女合計2,000人近くの商人がデータ収集プロセスに参加しました。それらのデータを基に、新しい市場建設の詳細が決められていったのです。

町の市場はコミュニティの公共施設です。商人だけではなく、地域社会によるプロジェクトの所有意識を促さなければ、新しい市場の長期的な持続可能性は望めません。よって地域コミュニティを対象とした大規模なニーズ調査や意見交換も行われました。

未来に向けた研修

新しいボサソ市場建設は、商人、特に女性商人経済的自立に寄与します。そして市場というインフラに加え、地元の起業家は日本の国際NGO日本紛争予防センターより生計向上のための研修を受けました。200人以上の商人がビジネススキル研修と新事業立ち上げキットの恩恵を受けました。そのうち90%近くが女性起業家です。

在ケニア日本大使館(ソマリア管轄)は「日本政府は、日本紛争予防センターとの協働により実施されたこのUNOPSプロジェクトの成功により、女性のエンパワーメントを通じた地域の安定化に寄与できたことを喜んでいる。また日本政府は研修を受けた人々が地域経済・社会をリードする上で重要な役割を果たしていくと確信している。」とは述べています。

ボサソで売店を経営するアシア・アリ・ファラーは、マイクロファイナンス研修会に参加しました。アシアは「自分が支援を受けたように、いつの日か、自分自身が”融資者”になりたい。 ソマリアの女性に小規模ビジネスの立ち上げ資金を融資することで、彼女たちが家族を養う手助けをしたい」と話します。

「ソマリアでは、マイクロファイナンスは新しいサービスではないですが、それにアクセスできる女性商人はまだそう多くないのです。研修の目的は、参加者がマイクロファイナンススキームにアクセスしやすくなることにより、彼らの小規模ビジネスの発展を支援することにあります。」と日本紛争予防センター事務局長の石井由希子氏は説きます。

研修の一環として身につけた新しいスキルにより、市場の商人たちは新しい仕事、そしてより高い収入を得ることができるようになります。これがひいては地域の経済発展を促進し、社会の安定化に繋がるのです。

プロジェクトの詳細


本プロジェクトは日本政府の支援を受けUNOPSによって実施されました。UNOPSは日本政府との協働のもと、アフリカ、中東、アフガニスタン等、脆弱な環境下にあるインフラの構築と修復、および人道支援を行っています。